スッピンと涙。
音リズムの印象
先日購入して以来ジャケットの感想しか述べていなかったので中身の感想。まずなんといってもつんく以外の作曲という点に注目が集まる。KANといえば「愛は勝つ」のピアノのイメージだがっていうかそれしか浮かばないのだが、こうして期待と不安の入り混じる中聴いてみよう。
曲のイントロはピアノの鍵盤の音がさみしく響き渡り、物語の幕が開ける。そのままゆるやかにAメロBメロへと進み、曲の盛り上がりサビまでの上り方は非常に緩やかである。ピアノ中心の楽曲かと思えばそうでもない。ピアノ以外にもそのリズムの根底にあるベースラインがこのメロディの静けさと相まって心地良い。今まで後藤真希の曲作品の中ではもっとも緩やかでおとなしい曲と感じた。それだけにインパクトに欠けるなぁというのが正直な感想である。もちろんコレクションのひとつとして所持しておくにはよい作品だと思う。
歌詞の世界観について
歌詞の内容は愛した彼方はもう側にいない。淡々と周辺整理を済ませ、思い出の詰まったこの部屋と共に町を去る。その思い出に別れを告げると共に感謝の意を表す。そんな失恋の曲だが、後藤さんの作品の中ではめずらしく歌詞の光景が素直に浮かびやすい曲なのではないかと感じた。
そんな中ボクが注目したのは以下部分
スッピンだから 泣いていいでしょ
もっと 「好き」と言えばよかった
涙拭いたら
思い出達と“バイバイ”して
帰郷るね
この恋が終わった理由はわからない。しかし彼女にとってそれは決して憎むべき終わり方ではなかったのだろう。そんなありのままの想いを巣の自分=スッピンと表現しつぶやくのだ。今も変わらず「あなたを愛していた」と。そのせつなさにおもわず泣けてくる。スッピンは絶対に見せないと宣言した後藤真希も愛する人の前ではスッピンになるのか。
過去の失恋ソングといえば「愛のバカやろう」「サヨナラのLOVE SONG」「さよなら「友達にはなりたくないの」」これらに共通して言えるのは“未練”という言葉である。
カップリング「もしも終わりがあるのなら」
打ち込みデジタル音の曲。ミドルアップテンポでサビから始まるその盛り上がり方はわかりやすい。個人的に間奏の3分15秒あたりからの音は好み。大人な女性の「スッピン」に対し、こっちの方が後藤真希っぽい感じがする。これもコレクションの内のひとつとしてもっておくには良い作品だと感じた。
歌詞は友達関係の男女。そんな微妙な距離に変化が現れ始めもっと近づいてと願う女性の曲。
「恋人出来そうならば応援し合おう」
なんて ルール作って半年が過ぎ・・・
友達以上恋人未満。こんな関係にやきもきしながら彼に抱きしめてとおねだりするかわいらしい女性の曲。しかしそこは後藤真希、キャピキャピではなくクールにかっこよく歌います。ボクのイメージではダンスしながら歌ってる姿が浮かびますね。なっちの「男友達」と比較するとその違いが面白いです。
そして曲名の「もしも終わりがあるのなら」とは一体どういう意味なのでしょう?
抱きしめて
もしも終わりがあるなら
忘れたり出来る
くらいの強さで
許して・・・
非常に意味の深い歌詞だと思います。ボクが思うこの意味は友達以上恋人未満の関係から次の段階になったとき、それを望んでいると同時にもしこの関係が崩れたとき、元の2人の関係に戻れるような・・・それをもしも終わりがあるならと表現し、忘れたり出来るくらいの強さで抱きしめて、つまり全力じゃなくていいから愛してと言ったところでしょうか。むずかしいですね、関係が壊れることの恐れと関係が発展することの希望が入り混じる曲。そんなところでしょうか。恋愛ってなぁに?の加護ちゃんに教えてもらいたいです。